このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
そういえば、生理…。

最後にきたのはいつだろうか。


数えてみると、1ヶ月以上きていなかった。


――まさか。


わたしは、自分のお腹にそっと手を当てた。



* * *



――結果は、明らかだった。


わたしが握りしめる妊娠検査薬。

そこには、くっきりと陽性を示すラインが入っていた。


未だに信じられないけど…。

わたし、妊娠してる…?


お腹の子の父親は、もちろん――。


『…名取くん、名取くんっ…』

『澪…!澪っ…!』


あの日、熱くて甘い夜をともに過ごした――名取くんだ。


ここに、名取くんとの赤ちゃんが…。


うれしかった。

好きな人との赤ちゃんを授かって。


――でも。


『名取グループとの間に子どもさえできれば…。その子を理由に結婚も強く迫れるのにね』
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