このままずっと甘い夜を 〜再会した元恋人は溢れる愛を押さえきれない〜
「こんなところでどうした…!?」


それは、心配そうにわたしの顔をのぞき込む名取くんだった。

わたしは、名取くんに抱き起こされるような体勢で歩道に倒れていた。


「名取くん…、どうして…」

「ちょうどそばを車で通ったときに、倒れそうになってる澪を見かけたんだ」

「…そ、そっか。でも、わたしなら大丈――」


そう言いかけて、わたしは意識を失った。



* * *



眠りから目覚めると、見えたのは白い天井。

違和感がして目を向けると、腕には点滴の針が刺さっていた。


ここは…、病院……?


まだぼんやりとはしているけれど、道で倒れたことを思い出した。


「…気がついたか?」


そんな声が聞こえて、わたしの視界に名取くんの顔が映る。


「名取くん…」


わたしが弱々しくも声をもらすと、名取くんは安堵したように頬をゆるませた。
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