皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?
オスカー大公だ。侍従をふたり従え、馬から降り立った。
「大公殿下、こんにちは」
手についた土をはらい、ドレスを摘まんで目礼する。
「ここでなにをしておられるのですか?」
オスカーが周辺を見渡す間にニコライとアガットがエリーヌのそばに立った。
「花の種を植えております」
「花ですか。精が出ますね。では私もお手伝いいたしましょう」
オスカーがやる気十分に袖を捲り上げる。
「いえ、大公殿下のお手を煩わせるわけには参りません。これは公務とは関係のない私的なことですから」
「遠慮はいりませんよ」
「いいえ、本当に結構なのです」
オスカーの押しの強さに負けず、エリーヌも固く辞退する。
「大公殿下、こんにちは」
手についた土をはらい、ドレスを摘まんで目礼する。
「ここでなにをしておられるのですか?」
オスカーが周辺を見渡す間にニコライとアガットがエリーヌのそばに立った。
「花の種を植えております」
「花ですか。精が出ますね。では私もお手伝いいたしましょう」
オスカーがやる気十分に袖を捲り上げる。
「いえ、大公殿下のお手を煩わせるわけには参りません。これは公務とは関係のない私的なことですから」
「遠慮はいりませんよ」
「いいえ、本当に結構なのです」
オスカーの押しの強さに負けず、エリーヌも固く辞退する。