皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?
「大きいですね」
想像していたよりも大きな湖だ。木立の間から姿を見せたシャルマン湖は、太陽の光を浴びて煌めいている。
木が途切れ、開けた場所で馬車がゆっくり止まる。先に降りたアンリの手を借りてエリーヌも降り立った。
エリーヌの足首ほどの低い背丈の草むらの向こうにアイスブルーのシャルマン湖が広がる。傾きかけた太陽の光を浴び、湖面は目映いほどに輝いていた。
湖を青々とした木立が囲み、青と緑の鮮やかなコントラストが美しい。
「本当に綺麗ですね」
「何度見ても美しい景色ですが、初めての妃殿下には格別でしょうね」
隣に立つニコライが胸いっぱいに息を吸った。
「はい、本当に。ランシヨンも風光明媚な土地ですが、湖はありませんので」
「代わりに海があるじゃない」
「そうですね。港の景色もとてもいいものです」
エリーヌはアンリの言葉に頷いた。
皇都の近くだからだろうか、簡易的とはいえ木で打ちつけた遊歩道が整備されている。
想像していたよりも大きな湖だ。木立の間から姿を見せたシャルマン湖は、太陽の光を浴びて煌めいている。
木が途切れ、開けた場所で馬車がゆっくり止まる。先に降りたアンリの手を借りてエリーヌも降り立った。
エリーヌの足首ほどの低い背丈の草むらの向こうにアイスブルーのシャルマン湖が広がる。傾きかけた太陽の光を浴び、湖面は目映いほどに輝いていた。
湖を青々とした木立が囲み、青と緑の鮮やかなコントラストが美しい。
「本当に綺麗ですね」
「何度見ても美しい景色ですが、初めての妃殿下には格別でしょうね」
隣に立つニコライが胸いっぱいに息を吸った。
「はい、本当に。ランシヨンも風光明媚な土地ですが、湖はありませんので」
「代わりに海があるじゃない」
「そうですね。港の景色もとてもいいものです」
エリーヌはアンリの言葉に頷いた。
皇都の近くだからだろうか、簡易的とはいえ木で打ちつけた遊歩道が整備されている。