皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?
なにが起こったのかわからないまま、膝を突いたアンリに駆け寄った。
ニコライとセバスカルと三人で彼を囲む。
「アンリ様、大丈夫ですか!?」
肩を負傷した人間に向かって掛ける言葉でないのはわかっているが、ほかに言葉が見つからない。
「……う、ん」
意識はあり、しっかり返答もできている。
「肩から血が!」
セバスカルが声を上げる。アンリのジャケットは矢によって切り裂かれ、肩には裂傷を負っている。
「早く宮殿に!」
エリーヌの叫び声でセバスカルがアンリを抱き上げる。手足を投げ出し脱力したアンリを前にしたエリーヌは全身から血の気が引いていくのを感じていた。
(アンリ様が……!)
ニコライとセバスカルと三人で彼を囲む。
「アンリ様、大丈夫ですか!?」
肩を負傷した人間に向かって掛ける言葉でないのはわかっているが、ほかに言葉が見つからない。
「……う、ん」
意識はあり、しっかり返答もできている。
「肩から血が!」
セバスカルが声を上げる。アンリのジャケットは矢によって切り裂かれ、肩には裂傷を負っている。
「早く宮殿に!」
エリーヌの叫び声でセバスカルがアンリを抱き上げる。手足を投げ出し脱力したアンリを前にしたエリーヌは全身から血の気が引いていくのを感じていた。
(アンリ様が……!)