皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?
「……ん」
ふと漏れた、か弱い声にハッとする。
「エリーヌ! 目を開けろ!」
このまま眠り続けるなんてナシだ。思わず声を荒げ、頬を手で包み込んだ。
渾身の祈りが届いたのか、エリーヌは睫毛を動かし、瞼をゆっくりと開けた。その視線がゆらゆらと揺れ、空間を彷徨う。
「エリーヌ、私がわかるか? リオネルだ」
頼りない眼差しがリオネルを捕らえた。
「……陛下、私……っ」
唐突にエリーヌが体を起こす。
「アンリ様は!? アンリ様はどちらに? ご無事でしょうか!?」
気が動転したエリーヌの肩を抱き、リオネルは背中をさすった。
ふと漏れた、か弱い声にハッとする。
「エリーヌ! 目を開けろ!」
このまま眠り続けるなんてナシだ。思わず声を荒げ、頬を手で包み込んだ。
渾身の祈りが届いたのか、エリーヌは睫毛を動かし、瞼をゆっくりと開けた。その視線がゆらゆらと揺れ、空間を彷徨う。
「エリーヌ、私がわかるか? リオネルだ」
頼りない眼差しがリオネルを捕らえた。
「……陛下、私……っ」
唐突にエリーヌが体を起こす。
「アンリ様は!? アンリ様はどちらに? ご無事でしょうか!?」
気が動転したエリーヌの肩を抱き、リオネルは背中をさすった。