皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?
首をひと振りして続ける。
「妃殿下とお話がしたかったのですよ」
これまでなにかとエリーヌを構ってきた相手だけに、そのひと言でつい身構える。患者としてここへ来たのならまだしも、話がしたいだけとは。
エリーヌの反応を察知したオスカーが微笑む。嫌な感じのするものとは違い、どちらかと言えばあたたかな笑顔だった。
「魔石研究所のダリル殿と陛下がお話ししている声が漏れ聞こえてきたので、思わずこうしてここへ来たんです」
「……ダリル様と陛下のお話?」
いったいなんの話だったのかとオスカーの目を覗き込む。
「前世の記憶です」
「あっ……」
思わず声を漏らしたため、慌てて口元を手で押さえた。
その話を共有しているのはリオネルとダリル。アンリはその記憶を失ったため、宮殿では三人だけだ。
「妃殿下とお話がしたかったのですよ」
これまでなにかとエリーヌを構ってきた相手だけに、そのひと言でつい身構える。患者としてここへ来たのならまだしも、話がしたいだけとは。
エリーヌの反応を察知したオスカーが微笑む。嫌な感じのするものとは違い、どちらかと言えばあたたかな笑顔だった。
「魔石研究所のダリル殿と陛下がお話ししている声が漏れ聞こえてきたので、思わずこうしてここへ来たんです」
「……ダリル様と陛下のお話?」
いったいなんの話だったのかとオスカーの目を覗き込む。
「前世の記憶です」
「あっ……」
思わず声を漏らしたため、慌てて口元を手で押さえた。
その話を共有しているのはリオネルとダリル。アンリはその記憶を失ったため、宮殿では三人だけだ。