皇帝陛下がやっぱり離縁したくないと言ってくるのですが、お飾り妃の私が伝説の聖女の生まれ変わりだからですか?
火と水が相容れないように、魔力にも相性が存在する。炎である赤い魔石と水の青い魔石、風を司る白い魔石と地の茶色い魔石はまさに典型だ。
魔法を使える者同士が結婚する際、その点をもっとも考慮しなければならない。ふたりが〝交わる瞬間〟、命を落とす危険性もあるためだ。
そのためお互いの気持ちよりも魔石の相性を優先させる傾向がある。
「皇帝陛下の魔石は金色だと聞く」
「金色……」
究極と言われる魔石だ。治癒系以外、どんな魔法も自在に使える最強の魔力である。
意図的に強い魔力を持つ者同士の婚姻を進めてきた皇族においても、金色はめったに発現しないという。
エリーヌは、リオネルが軍神と言われる理由がわかった気がした。
エドガーは驚くエリーヌに頷いて続ける。
「金色であるがゆえに、お相手選びも難航していたそうだ。なにしろここ数百年、そのような魔石は誕生していない」
つまり相性がいい魔石の見当がつかないのだろう。当時の文献でも残されていればヒントが見つかる可能性はあるが、難航している点を考えるとそういったものもないのかもしれない。
魔法を使える者同士が結婚する際、その点をもっとも考慮しなければならない。ふたりが〝交わる瞬間〟、命を落とす危険性もあるためだ。
そのためお互いの気持ちよりも魔石の相性を優先させる傾向がある。
「皇帝陛下の魔石は金色だと聞く」
「金色……」
究極と言われる魔石だ。治癒系以外、どんな魔法も自在に使える最強の魔力である。
意図的に強い魔力を持つ者同士の婚姻を進めてきた皇族においても、金色はめったに発現しないという。
エリーヌは、リオネルが軍神と言われる理由がわかった気がした。
エドガーは驚くエリーヌに頷いて続ける。
「金色であるがゆえに、お相手選びも難航していたそうだ。なにしろここ数百年、そのような魔石は誕生していない」
つまり相性がいい魔石の見当がつかないのだろう。当時の文献でも残されていればヒントが見つかる可能性はあるが、難航している点を考えるとそういったものもないのかもしれない。