離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
でも、昨夜の安藤さんのあの目を思い出すと、背筋が寒くなって震えが止まらない。

黒い車がコンビニの駐車場に入っては来ないかと、ヒヤヒヤしながら圭吾さんを待つ。

店員さんがいぶかしげにこちらを見ているのに気づき、お菓子を選ぶフリをしていると、来客を告げるチャイムがピヨピヨと鳴った。

ハッと顔を上げると、入り口から入ってきた圭吾さんと目が合った。

「圭吾さん」

彼の表情は珍しくこわばっていた。

きっと心配して、急いで来てくれたのだろう。

「行こう」

短く言うと、圭吾さんは私の手を取り、店を出ようとする。

私は持っていたお菓子を慌てて戻し、彼のあとに続いた。

定員さんが訝しげな顔でこちらを見ていたような気がする。

お店を出ると、圭吾さんの車が入り口のすぐそばに停まっていた。

彼が助手席のドアを開け、私が乗り込むまで見守ってくれる。

「もう大丈夫だ」

圭吾さんはぼんやりしている私のシートベルトを代わりに装着してくれる。

近い距離にドキドキできないくらい、私はテンパっていた。

「帰ろう」

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