離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
ほとんどの人は、彼氏に黙って契約結婚なんてしない。

私よりよっぽど頭がいいはずなのに、どうしてそんなことがわからないんだろう。

「私の好きな人は、圭吾さんなのに……」

ぽろっと零れた言葉を、彼は聞き逃さなかった。

「それなら、もう遠慮しない」

圭吾さんはソファに私を押し倒す。

少し緩やかになった鼓動が再び激しくリズムを刻む。

「きみがほしい」

囁いた圭吾さんが、覆い被さってくる。

「俺と結婚してよかったと思わせるから、覚悟して」

熱い息が耳朶にかかり、体が震えた。

< 176 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop