離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
だって、今日にも安藤さんが圭吾さんのことをあきらめたと言ったら?

すぐに「はいさようなら、離婚です」となったら、私立ち直れるかな。

ずーんと沈みそうになり、ぶんぶんと顔を振る。

いかんいかん。暗いほうに思い込んでばかりいると、私まで安藤さんみたいになっちゃう。

ダメだ。考えるな。とりあえず寝よう。

ギュッと瞼を閉じる。

夜勤から溜まった疲れが出たのか、私はすぐに気を失った。



翌朝、私は圭吾さんと一緒に出勤することにした。

「お弁当作らなくて、本当によかったんですか?」

一緒に出勤できるのは、ふたりとも日勤のときだけ。

私が夜勤だったり、圭吾さんが当直だったりでひとりのときは、必ずタクシーで通勤している。

「今日は外来だから。合間にオペ室に行ったりなんだり……たぶん食べてる暇がない」
「そうですか……もし時間ができたら、ちゃんと食べてくださいね」
「そうするよ」


< 180 / 246 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop