離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
そう言って彼は笑うが、たぶんスティックパンしか食べないだろう。

患者さんのために一生懸命なところは尊敬しているけど、もう少し自分の身体を労わってほしい。

「じゃあ、頑張って」
「圭吾さんも」

私たちは駐車場で手を振って別れた。

なんか、本当の夫婦みたい。

誰かが見ているかもしれないけど、どうでもいい。

私は圭吾さんが好き。それはもう隠しきれない。

着替えて病棟に着くと、いきなり師長に呼ばれた。

「安藤さんがあなたを担当につけろってきかないの。またトラブルになるといけないからお断りしたんだけど、聞かなくて」
「そうですか」
「そろそろ笠原先生も交えて、三人で話をしてもらえる?」
「わかりました。ご迷惑おかけしてすみません」

もう迷うことはない。

むしろ、すぐにそうするべきだったのかもしれない。

圭吾さんのためだけでなく、病院のためにも、次の患者さんのためにも、早く安藤さんには退院してもらわなきゃ。

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