離婚前提婚～冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます～
「そうそう。色々教えてもらわないと。槇さんとはいつから付き合ってたんです？」

どの先生に対してもフランクに接する主任さんが圭吾さんに尋ねる。

「付き合ってない。そんな時間は無駄だから、すぐプロポーズした」
「わあ！　一目ぼれってやつですか？」
「そうだな」

圭吾さんはニヤッとこっちを見て笑う。

すごい嘘じゃん。プロポーズじゃなくて、「契約結婚を持ちかけた」の間違いじゃん。

「で、槇さんもよくOKしたね」
「ノリで結婚するタイプには見えないのに」

主任さんと千葉くんの矛先が私に向く。

「あ、ええ……患者さんに対してはすごく優しいなって思っていたので」

適当に理由をでっち上げた。

「いやいや、学生のころ先生に惚れて、この病院に入職したんだろ？」

千葉くんが私も忘れていたような話を大声で投下する。

周りが「そうなんだ～」と歓声を上げる。

「へえ、そんな昔から？」

圭吾さんも師長や主任もニヤニヤと私を見ている。

それじゃあ私が圭吾さんのストーカーみたいじゃん。

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