離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
学生時代から先生を狙って入職するなんて、そこまで恋愛脳じゃないから。

顔が熱くなり、私は手で頬を仰ぐ。

「惚れたんじゃなくて、憧れたのっ」
「どう違うんだよ」
「全然ちがーう!」

ぽかすかと千葉くんを叩くと、圭吾さんがははっと笑う。

「仲がいいなあ。俺は最初、きみたちは付き合っていると本気で思っていた」
「いやー、ない。ないです。俺、小さくておとなしい子が好きなんで」

千葉くんは本気で私に興味がなさそうにしている。

別にいいけど失礼だな。

「それはよかった。これからも安心して働いてもらえる」

ライバルがいる病院では私を働かせないということか。

心配しないでも、浮気なんてしないのに。

「先生もやきもち焼くんですね。かわいい~」

ほっとしたような圭吾さんを主任さんがからかう。

今までは、圭吾さんがこんなふうに看護師たちと話すことなんて考えられなかった。

相変わらず仕事は忙しいけど、安藤さんのことがなくなったので、少し気持ちに余裕ができたようだ。

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