離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
でも私は知っている。

本当の圭吾さんは、学生にも看護師にも優しい。

間違ったことは間違っていると言うけれど、守るべきものはちゃんと守る。そういう人なのだ。

にぎやかで楽しい時間はあっという間に過ぎる。

いつの間にか解散の時間になり、看護師たちは二次会へ向かうため歩き出す。

「まだ九時ですって。二次会のカラオケ行きます?」
「俺がいるとみんな気を遣うだろうから、パス」

そうかなあ。意外に盛り上がると思うんだけど。

「じゃあ私も帰ります」
「そうしよう。明日勤務の人たちも帰るだろうし」

今夜勤を頑張ってくれている看護師もいれば、明日日勤の子もいる。

一緒に働くみんなに感謝して、今日は早く休もう。

今日はふたりともお酒を飲んだので、タクシーで帰ることにした。

アルコールの効果もあってか、タクシーの中でウトウトとする。

圭吾さんの肩に頭を預けると、すうっと睡魔に意識を持っていかれた。


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