離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
それよりも私の目を奪ったのは、部屋の中央にある丸テーブルだった。

その上に、ルームサービスなのか、なにかが乗っている。

「ケーキだ!」

近づくと、それは生クリームでデコレーションされたホールケーキだった。

テンションが上がった私が近づくと、後ろからゆったりと圭吾さんがついてくる。

「これも予約してくれたんですか?」
「うん。よく見てみて」

クリームと果物に囲まれたケーキの中央に、チョコペンで字が書かれている。

英語の筆記体だ。間違えたら呆れられちゃう。

勉強が苦手な私は恐る恐るそれを読む。

「でゅ、どぅー、ゆー、ま?め?りー、みー?」
「絶対意味わかってないだろ」

頑張ったけど無理だった。呆れられた。

学生時代、看護以外も一生懸命勉強しておくべきだった。

がっくりする私に、いつの間にか真後ろに立っていた圭吾さんが腕を回す。

背後から抱きしめられ、耳元で囁かれる。

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