離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
よっぽど顔が整っていて足が長くないと笑っちゃう感じ。王子様みたいな謎の金モールがあしらわれている。

せっかく夢の国のホテルで披露宴をするのだからと、ちょっとウケ狙いで王子様とお姫様にしてみたのだけど、誰も笑ってない。

圭吾さんはまさしく、リアル王子様だ。

そんな彼の隣に立つ私はいつもより濃いメイクをしているとはいえ、まだ庶民の域を抜けられていない。そんな気がする。

披露宴はいい雰囲気で始まり、なんのトラブルもなく進行していく。

キャンドルサービス、ファーストバイト、ベタなプログラムはとりあえずなんでも入れておいた。

親せきや友達のスピーチはあるけど、歌や漫才などの出し物はない。

その代わり、テーマパークのキャラクターが出てきては場を賑わせた。

着ぐるみと思ってはいけない。キャラクターだ。夢の国では「中の人」なんていないのだ。

「それではスライドをご用意しておりますので、ご覧ください」

主役席の背後のスクリーンに、「圭吾&七海のあしあと」という若干ダサいタイトルが映し出される。

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