離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~

「俺は図書室でハッキリものを言ってくれたきみが好きだ。あれから俺は、病棟で見かけるたびにきみを目で追うようになっていた」
「えっ、あれから?」

あれは普通の人なら怒ってもおかしくなかった気がする。

だって私、本人に向かって正直に「言うほどモテてない」って言ったんだものね。

「昔から俺をおだててくる奴はいたけど、ハッキリ言ってくれる人は少なかったから」
「へえ」

セレブあるある、「叱ってくれる人に恵まれなかった」ってやつか。

「だけどきみの横にはいつも千葉がいた。俺はひそかに嫉妬してたんだ」
「ええっ?」

そういえば、けっこう長いこと私と千葉くんが付き合っているって誤解していたっけ。

まさか契約結婚を持ちかけられる前から、ずっと誤解していたとは。

私は最初から千葉くんとはなんにもないし、どうとも思っていなかったというのに。

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