離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
もしかして私語を注意してきたのも、嫉妬したから?

だとしたら、意外と子供っぽいところもあるな。

「だから契約結婚しょっぱなから、振り向いてほしくていろいろなことを試してみた」
「そうだったの」

いきなりキャラが変わったと思ったら、そういうことだったのか。

私と同じように、圭吾さんが私を意識していたとは驚きだ。

こっちは彼が私みたいな庶民を相手にするはずがないと、最初からあきらめていたのに。

「私たち、両想いだったんだね」

ここに至るまで、なんだかすごく遠回りをしたような気がする。

神業オペをするのに恋愛には不器用な圭吾さんが急にかわいく見えてきた。

「うん。これからも、ずっと」
「ずっと、両想いね」

これからもずっと、お互いだけを見ていられたらいい。

先にはなにがあるかわからないけど、私にとって圭吾さんと会えた事実は一生の宝物だ。

微笑みかけると、圭吾さんが私に軽くキスをした。

招待客たちは、スライドに夢中で気づいていないみたいだった。

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