離婚前提婚~冷徹ドクターが予想外に溺愛してきます~
つかつかと病室に入ってきた笠原先生が、私の腕をつかんだ井上さんの手を離させた。
「いやっ、いやいや……違うんですよ」
さっきまで浮かべていた薄ら笑いは消え、青ざめる井上さん。
笠原先生はその長身で私を守るように井上さんの前に立ちはだかる。
「槇、なにをされた」
「え、あ……胸を触られました。昨日は髪を」
事実を述べると、井上さんはなぜか私をにらんだ。
「嘘言うな! 俺は触ってない!」
「そうですか。他にもあなたに触られたという看護師がいて、槇の悲鳴が聞こえたというものですから、急いで来たのですが」
低い声で詰められ、井上さんはふるふると震える。
他にも被害者がいたのか。もしや、心配そうに見ている後輩ちゃんか。
「看護師が文句を言えない立場だと思って、好き勝手やられちゃ困ります」
「そんなこと思ってないよ。ねえ先生、俺は病人だよ? もっと優しくしてよ」
「いやっ、いやいや……違うんですよ」
さっきまで浮かべていた薄ら笑いは消え、青ざめる井上さん。
笠原先生はその長身で私を守るように井上さんの前に立ちはだかる。
「槇、なにをされた」
「え、あ……胸を触られました。昨日は髪を」
事実を述べると、井上さんはなぜか私をにらんだ。
「嘘言うな! 俺は触ってない!」
「そうですか。他にもあなたに触られたという看護師がいて、槇の悲鳴が聞こえたというものですから、急いで来たのですが」
低い声で詰められ、井上さんはふるふると震える。
他にも被害者がいたのか。もしや、心配そうに見ている後輩ちゃんか。
「看護師が文句を言えない立場だと思って、好き勝手やられちゃ困ります」
「そんなこと思ってないよ。ねえ先生、俺は病人だよ? もっと優しくしてよ」