Cotton Candy.
「仕事終わってから、空いてる?」
「え、」
「ごはん、食べ行こ。」
「な、んで…、」

 急に、は、びっくりしすぎて声にならなかった。
 と、いうか。空いてる、とか、私は返事をしていない。
 …いや、予定はないのだけれど。

「泣かせちゃったお詫び。奢るよ。」
「いえ…、ほんとに、大丈夫…、」
「…嫌?」
「…う、…え、と…、」

 そう言われると、嫌、な、わけじゃない。
 けれど、私と行ったって綿谷さんは絶対に楽しくない。

 そんなことを思って、答えに詰まる。
< 10 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop