Cotton Candy.
 そして夕方のこの時間に、この元気である。
 瀬那は仕事ができるだけじゃなくて、社内のムードメーカーでもあった。

「いってらっしゃーい。」
「お疲れさまー。」

 綿谷さんと私でふたりに声をかけて見送ると、オフィスの中には私たちの他に誰もいなくなってしまった。
 瀬那がいたせい(おかげ?)かだいぶ騒がしく明るかった室内は、急に静かになる。

 …そしてふたりきり、だし。

 いや、いままでだってたぶんこんな場面何回もあったはず。
 いまさら意識することではない、…と、思いたい。
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