Cotton Candy.
 いっしょに行く? と、やっぱりなんともない、っていう感じで、綿谷さんはこちらをのぞき込みながら言う。
 いやいやいやいやいや、ちょっと、…待って。

「それは…、」

 チケットをもらってしまうよりよくない。本当によくない。
 この前の食事ですら、綿谷さんにたくさん気を遣わせてしまった罪悪感でいっぱいなのに。
 いっしょに出かけるだなんて、そんなデートみたいなこと、

 …デート?

 いやいやいやいや、そんなおこがましいこと、思っちゃいけない。
 きっと今回だって、私がうっかり口を滑らせてしまったから。
 …気を、遣ってくれているだけ。
< 27 / 31 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop