Cotton Candy.
「ちょっと待ってて。」

 そう言った綿谷さんは、全力ダッシュで資料室を出て行く。
 私が呆気に取られていると、彼は数分後に再び全力ダッシュで資料室に駆け込んできた。

 片手には、私の好きなカフェオレ。

「少し落ち着いた?」

 ちょっとだけ距離をとって、綿谷さんは私の隣に腰を下ろす。
 幸いにも他の棚で死角になって、資料室の外からこの場所は見えない。
 涙も、これ以上は出てこなそうだ。
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