魔法少女メルティーハート、初恋始めます?!
魔法少女メルティーハート、初恋始めます?!#4
T『魔法少女メルティーハート、初恋始めます?!』
◯愛瀬家・玄関(朝)
靴を履き、すぐに出発出来る状態で、めるが来るのを待っている透。
透「めるー!学校行こー?」
◯教室・廊下(休み時間)
める、担任から頼まれたノートを持って、教室に向かっている。
透、めるに気づいて、ノートを運ぶのを手伝う。
透「(めるが持っているノートの束の3分の2を掴みながら)重くない?手伝うよ」
◯教室・中庭(昼休み)
いつものように並んで弁当を食べる2人。
透「……」
透、デザートとして用意されていたさくらんぼを、じっと眺めた後、それをめるに向かって差し出す。
透「さくらんぼ好きだったよね?あげる!」
◯教室・昇降口(放課後)
外は雨が降っている。
屋根の下で鞄をゴソゴソしているめるに気づいて、透が傘を差し出す。
透「もしかして傘忘れた?はい、これ!」
める、差し出された傘に一瞬だけ手を伸ばし、すぐに引っ込める。
める「でもそれじゃあ、透が濡れちゃうんじゃ……」
透、カバンから折り畳み傘を取り出す。
透「え?俺はこっちで帰るから大丈夫だよ〜。……それとも、相合傘したかった?」
める「(傘をぶん取って)……っ!しないっ!」
◯公園(夕方)
魔法少女姿のめる、イライラした様子で、敵をボッコボコにしている。
める(そっけなくしてたらそのうち諦めてくれると思ってたのに、あいつ、全然諦めてくれないじゃない!)
める、ステッキを振り、魔法を敵にぶつける。
める(でもあいつ顔が良いし、しかも良いやつっぽいし……。そんなに悪くないかも……?って、何考えてんのよ私!)
何度も魔法をぶつけられ、オーバーキル気味のモンスター。
グレイ「おい!その辺にしてやってくれ!撤収!撤収!」
◯愛瀬家・表(夜)
める「あー、疲れた」
める、項垂れながら家のドアを開ける。
透の声「おかえり」
める(そうだった。家に帰っても悩みの種はなくならないんだった)
める「ただい……」
める、言いかけて固まる。
めるの視線の先に立っているのは、めるが好きなゲームの推しキャラ・冷血のクロード……にそっくりなコスプレをした透だった。
める「????!」
める、驚いて勢いよく尻餅をつく。
める(????!)
める「クロードしゃま?!」
クロードコスの透が、不敵な笑みを浮かべながら手を差し出す。
差し出された手を取った瞬間に、透に抱き寄せられるめる。
める(?!)
ドキドキしすぎて、乙女のような顔になるめる。
透「怪我はないか小娘。私の手を煩わせるとはとんだ……」
める「何やってんの?透」
いきなり冷めた反応になるめる。
透は困ったような顔で頭を掻く。
透「あれ?違かったっけ?時ドキ私立ヴァンパイア学園7章の、クロードのイラストのシーンを再現したつもりだったんだけど……」
うーんと考え込む透の前で、首を激しく横に振るめる。
める「い、いや!合ってるけど!あまりにも再現度高すぎて、一人称を間違えるまでノっちゃったし……」
透「(呟くように)一人称が違かったのか……」
◯愛瀬家・玄関(同)
隣に並んで座る2人。
める「てかなんで、私がクロード様のこと好きって知ってんの?」
透「(不思議そうな顔で)この前、昼休みの時間に教えてくれたじゃん。だから推しの格好とかしたら、喜んでもらえるかなって思って……」
める、改めて透の上から下までじっくりと眺める。
クロードのコスプレ衣装を身にまとった透の姿は、キラキラと輝いて見えている。
める「そ、そりゃあ嬉しいよ?あんたのクロード様コス、クオリティー高いっていうか、マジでまんまっていうか……」
もじもじするめるの横で、にぱーと笑う透。
める「でもちょっと、Sっ気が足りないわね」
透「厳しいなあ」
める「当たり前でしょ。冷血の王子よ?あんたみたいに甘っちょろいわけないじゃない」
透「ええ……?じゃあ普段からもっと、Sっぽい言動になるように心がけてみようかな」
眉間に皺を寄せて、うむむ……と考え込む透。
める、透を見てふっと笑いかける。
める「何言ってんのよ。そのままで良いじゃない。あんたはあんたでしょ?クロード様にはクロード様の良さがあって、あんたにはあんたの良さがあるんだもの。……よく周りを見てて、気遣い屋なところとかね」
める、立ち上がって廊下を歩いていく。
める「はー、疲れた。そろそろドキヴァン(※時ドキ私立ヴァンパイア学園の略)やらないと。あんたもご飯の時間までには着替えなさいよ〜」
透、玄関に1人取り残される。
へなへなとしゃがみ込んで、頭を抱える。
透「(真っ赤な顔で)それはずるいよ……」
透(普段あんなに興味なさそうなくせに、ちゃんと俺のこと見てくれてんじゃん……)
嬉しさを噛み締めている透。
めるの声「あっでも、気が向いたらたまにはクロード様のコスプレしてね?ほぼ実写に近い推しが浴びれて、助かるし……」
◯愛瀬家・玄関(朝)
靴を履き、すぐに出発出来る状態で、めるが来るのを待っている透。
透「めるー!学校行こー?」
◯教室・廊下(休み時間)
める、担任から頼まれたノートを持って、教室に向かっている。
透、めるに気づいて、ノートを運ぶのを手伝う。
透「(めるが持っているノートの束の3分の2を掴みながら)重くない?手伝うよ」
◯教室・中庭(昼休み)
いつものように並んで弁当を食べる2人。
透「……」
透、デザートとして用意されていたさくらんぼを、じっと眺めた後、それをめるに向かって差し出す。
透「さくらんぼ好きだったよね?あげる!」
◯教室・昇降口(放課後)
外は雨が降っている。
屋根の下で鞄をゴソゴソしているめるに気づいて、透が傘を差し出す。
透「もしかして傘忘れた?はい、これ!」
める、差し出された傘に一瞬だけ手を伸ばし、すぐに引っ込める。
める「でもそれじゃあ、透が濡れちゃうんじゃ……」
透、カバンから折り畳み傘を取り出す。
透「え?俺はこっちで帰るから大丈夫だよ〜。……それとも、相合傘したかった?」
める「(傘をぶん取って)……っ!しないっ!」
◯公園(夕方)
魔法少女姿のめる、イライラした様子で、敵をボッコボコにしている。
める(そっけなくしてたらそのうち諦めてくれると思ってたのに、あいつ、全然諦めてくれないじゃない!)
める、ステッキを振り、魔法を敵にぶつける。
める(でもあいつ顔が良いし、しかも良いやつっぽいし……。そんなに悪くないかも……?って、何考えてんのよ私!)
何度も魔法をぶつけられ、オーバーキル気味のモンスター。
グレイ「おい!その辺にしてやってくれ!撤収!撤収!」
◯愛瀬家・表(夜)
める「あー、疲れた」
める、項垂れながら家のドアを開ける。
透の声「おかえり」
める(そうだった。家に帰っても悩みの種はなくならないんだった)
める「ただい……」
める、言いかけて固まる。
めるの視線の先に立っているのは、めるが好きなゲームの推しキャラ・冷血のクロード……にそっくりなコスプレをした透だった。
める「????!」
める、驚いて勢いよく尻餅をつく。
める(????!)
める「クロードしゃま?!」
クロードコスの透が、不敵な笑みを浮かべながら手を差し出す。
差し出された手を取った瞬間に、透に抱き寄せられるめる。
める(?!)
ドキドキしすぎて、乙女のような顔になるめる。
透「怪我はないか小娘。私の手を煩わせるとはとんだ……」
める「何やってんの?透」
いきなり冷めた反応になるめる。
透は困ったような顔で頭を掻く。
透「あれ?違かったっけ?時ドキ私立ヴァンパイア学園7章の、クロードのイラストのシーンを再現したつもりだったんだけど……」
うーんと考え込む透の前で、首を激しく横に振るめる。
める「い、いや!合ってるけど!あまりにも再現度高すぎて、一人称を間違えるまでノっちゃったし……」
透「(呟くように)一人称が違かったのか……」
◯愛瀬家・玄関(同)
隣に並んで座る2人。
める「てかなんで、私がクロード様のこと好きって知ってんの?」
透「(不思議そうな顔で)この前、昼休みの時間に教えてくれたじゃん。だから推しの格好とかしたら、喜んでもらえるかなって思って……」
める、改めて透の上から下までじっくりと眺める。
クロードのコスプレ衣装を身にまとった透の姿は、キラキラと輝いて見えている。
める「そ、そりゃあ嬉しいよ?あんたのクロード様コス、クオリティー高いっていうか、マジでまんまっていうか……」
もじもじするめるの横で、にぱーと笑う透。
める「でもちょっと、Sっ気が足りないわね」
透「厳しいなあ」
める「当たり前でしょ。冷血の王子よ?あんたみたいに甘っちょろいわけないじゃない」
透「ええ……?じゃあ普段からもっと、Sっぽい言動になるように心がけてみようかな」
眉間に皺を寄せて、うむむ……と考え込む透。
める、透を見てふっと笑いかける。
める「何言ってんのよ。そのままで良いじゃない。あんたはあんたでしょ?クロード様にはクロード様の良さがあって、あんたにはあんたの良さがあるんだもの。……よく周りを見てて、気遣い屋なところとかね」
める、立ち上がって廊下を歩いていく。
める「はー、疲れた。そろそろドキヴァン(※時ドキ私立ヴァンパイア学園の略)やらないと。あんたもご飯の時間までには着替えなさいよ〜」
透、玄関に1人取り残される。
へなへなとしゃがみ込んで、頭を抱える。
透「(真っ赤な顔で)それはずるいよ……」
透(普段あんなに興味なさそうなくせに、ちゃんと俺のこと見てくれてんじゃん……)
嬉しさを噛み締めている透。
めるの声「あっでも、気が向いたらたまにはクロード様のコスプレしてね?ほぼ実写に近い推しが浴びれて、助かるし……」