冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて


 そして意外にも一人が寂しいということを聞いて、その冷酷さから想像できず、もっと橘さんのことを聞いてみたいと思った。


「ふふっ、橘さん、寂しいんですか?」

「アメリカじゃ一人になる機会なんてなかったし、常に誰かいたからな」

「常に誰か……」

「本社の従業員やお偉いさん」


 不敵な笑みを見せたかと思うと、カゴの中はあっという間に物でいっぱいになっていた。その後もカゴに日用品やルームウェアなど入れていき、橘さんは満足したようにお会計を済ませてしまった。


「あの、お金払います!」


 財布からお札を取り出すと、「いらねぇ」と断れてしまった。


「で、でも、家に泊めていただいて、こんなに色々購入してくださってさすがに悪いです!」


「じゃあ晩飯何か作って」

「はい! 何が食べたいですか?」

「肉。焼き肉が食べたい」

「分かりました! お肉買っていきましょう。材料費は出させてくださいね」

 一旦荷物を置きに車に戻った後、下のスーパーで食材を買った私達。無事に焼き肉の材料を買い車に戻る。



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