冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて
◆2.橘さん家に居候


 橘さんはそのまま自分のマンションまで車を走らせる。


 一ヶ月前に完成した高層マンションだった。外観から高級感が漂っている。屋根付きの駐車スペースに車を停めた後、荷物を持ってマンションの入口まで向かう。


 オートロックの番号を教えてもらった後、広々としたエントランスの中へ入りエレベーターに乗る。最上階に着き、橘さんの部屋の前に着いた。


「これ相澤のカードキー。渡しとく。これをこう当てたら開くから」


 細かく説明を受け、橘さんの部屋へと入る。


 壁も床も天井も一面真っ白で、玄関が見当たらない。困惑していると、部屋のドアの前で「ここで靴脱いで」と教えてくれた。


「お邪魔します……」


 恐る恐る部屋の中に入る。まだ開けられていないダンボールがリビングのあちらこちらに置いてあったが、とにかく部屋は広くて綺麗なことだけは分かった。


 シャッターを開けると一面は全部ガラス張りになっており、街が一望できる。夜ということもあって家の中の明かりや街頭が照らされていて綺麗だった。



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