冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて



 晩ごはんを食べ終え、食器を洗っている間に一希さんはお風呂の準備をしてくれた。「先に入っていい」というお言葉に甘え、お風呂をお借りした。


 ひとりで大丈夫だと思っていたのに、誰かがいる生活がこんなに心地良いなんて全然知らなかった。

 楽しくて、嬉しくて、心が満たされていく。


 こんなに安心した日を過ごしたのは初めてだった。


 寝室をお借りし、広々としたベッドに寝転がる。とても寝心地が良くマットレスが体にしっくりきて、布団も気持ちよくてすぐに眠りについてしまった。


 翌朝、目が覚めると体が物凄く軽かった。こんなにいい朝を迎えたのは初めてだった。ベッドの横に視線を移すもやはり一希さんはいなかった。


 寝室を出ると、一希さんはリビングのソファーで眠っており、その寝顔がかっこよくて魅入ってしまう。


 好きになるつもりなんてなかったのに、好きが溢れる。


 私、一希さんが好きだ。やっぱり、どうしようもなく好きだ。想うだけの恋は許されるだろうか。


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