冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて


「下着つけてねぇけど。おまえ、俺のこと誘ってんだろ?」

「ち、違います……いつも寝る時に着けないので、クセで……」

「いつも着けないって。本当、ネカフェで何もなかったのが奇跡だな」

「私、男性経験ないので……見ず知らずの人になんて触らせません」


 そう告白すると、一希さんはぴたりと手を止め、「ハア」と大きなため息を吐いた。


「あやうく変な気の迷い起こすとこだっただろ。おまえもおまえで、そんな至近距離に近づいてんなよ」


 一希さんは触れていた太ももから手を離し、ズボンから手を引っ込めた後に、直に背中に触れていた手を離した。


 一希さんになら、何をされてもいいと思っていたのに。


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