冷酷な御曹司に一途な愛を注ぎ込まれて


 一希さんと話したい。
 無責任な態度を取ってしまったことを謝りたい。


 もう会えないかもしれないという状況になると、いろんな後悔が押し寄せてくる。


 知らない人と体を重ねて生きていくくらいなら、今ここで死んでしまいたい。
 

 赤信号で停まっている間に、荷物を持ってすぐに車から降りる。すると、すぐ後ろから追ってきていた黒の車が窓を開け「詩織! 乗れ!」と呼んでくれた。


 ーー声で分かった。私の名前を呼んでくれた人物は一希さんだ。


 あんな自分勝手なことを言ってしまったのに、一希さんは私の後を追って来てくれていた。






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