プライベートレッスン
頬がしだいに熱くなる。
「・・・・・」
ワケがわからずに彼女の顔を見る。
「なに寝ぼけているんですか、ちょっとシャレになってませんよ」
「・・・ここはどこ?」
部屋を見渡すと俺の部屋というのは明白だった。
「三島さんの部屋ですけど」
「そうだよね、君は赤坂エリだよね?」
彼女からトマトケチャップの臭いがするのはなぜだろう?
「そうですけど」
「なんで君が俺の部屋にいるの?えっと付き合ってたっけ?」
想像の世界では何度も付き合った妄想をしてたんだけど、ついに現実になったのか?
事実は小説より奇なりというけど。
「というか今日会ったばかりじゃないですか」
「そうだよね、確か撮影現場で会って少し話して」
「あの、いいかげん離してもらえませんか?」
彼女の顔が赤らむ、そして俺は彼女を抱きしめているという事に気がついた。
「ごっごめん」
俺はホールドアップをして彼女を離した。



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