筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
ブレイズ様がやけに申し訳なさそうにするので、真実を教えてあげることにした私。これで心置きなく私と結婚してくれるだろうと思ったのだが。私の頬に触れているブレイズ様の右手がプルプルと震えている。
「なんだと……? 許せん。あれ程献身的に駆け回ったローズをそんな理由で蔑ろにするなんぞ、万死に値する!」
ブレイズ様は私の頬から手を離し、その手をぎゅっと握りしめ立ち上がった。
「ブレイズ様?」
「今から殴り込みに行ってくる。王子とて、俺達の崇拝する聖女にそのような扱いをしたとなれば許せない」
「え!? ちょっと待ってください、私はむしろ婚約破棄してくれたレオン様に感謝していて」
だってそのおかげで筋肉溢れるブレイズ様の元へ来れたのだから。殴り込みに行った結果、再度レオン様の婚約者にされてしまっても困るし、王子に手をあげるなんていくら辺境伯でも許されないだろう。
そして踵を返してドアの方に向かってズンズン歩いていくブレイズ様を止めようと、慌てて私も立ち上がり、後ろから縋り付くように抱きつくが。なんせ大柄な男性と小柄な女性では体格差がありすぎて、全然引き留められない!
「お願いしますブレイズ様! 止まってくださいーッ!!」
抱きついたその体からは、筋肉のイメージとは合わない石鹸のような匂いがふわりと香る。もしかして私に会うから身嗜みに気を使ってくれたのかしら? なんて事をチラッと考えつつ、必死でブレイズ様を引き留めるのだった。
「なんだと……? 許せん。あれ程献身的に駆け回ったローズをそんな理由で蔑ろにするなんぞ、万死に値する!」
ブレイズ様は私の頬から手を離し、その手をぎゅっと握りしめ立ち上がった。
「ブレイズ様?」
「今から殴り込みに行ってくる。王子とて、俺達の崇拝する聖女にそのような扱いをしたとなれば許せない」
「え!? ちょっと待ってください、私はむしろ婚約破棄してくれたレオン様に感謝していて」
だってそのおかげで筋肉溢れるブレイズ様の元へ来れたのだから。殴り込みに行った結果、再度レオン様の婚約者にされてしまっても困るし、王子に手をあげるなんていくら辺境伯でも許されないだろう。
そして踵を返してドアの方に向かってズンズン歩いていくブレイズ様を止めようと、慌てて私も立ち上がり、後ろから縋り付くように抱きつくが。なんせ大柄な男性と小柄な女性では体格差がありすぎて、全然引き留められない!
「お願いしますブレイズ様! 止まってくださいーッ!!」
抱きついたその体からは、筋肉のイメージとは合わない石鹸のような匂いがふわりと香る。もしかして私に会うから身嗜みに気を使ってくれたのかしら? なんて事をチラッと考えつつ、必死でブレイズ様を引き留めるのだった。