筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
「ローズ助けて! また雄々し過ぎる患者が来たのよ」
瀕死で運び込まれてきた魔術師の治療は人に任せて、私はその雄々し過ぎる患者の元へと走った。
魔法は使用するのに莫大なエネルギーを使用する。その為高位の魔術師程、細身で小柄になるというこの世界では……大柄で逞しい程魔法が使えない=不出来=格好悪い、という構図が出来上がっていた。戦場で魔法を使わず、もしくは自己強化魔法のみ使用して戦う兵士や騎士といった人間はいわゆる醜男として扱われていたのである。この世界はヒョロッとした魔法使い至上主義なのだ。
その為、そんな逞しい人間が怪我をしてこの古い寄宿舎のような建物――治癒院に運び込まれると、あまりの醜さに倒れてしまうヒーラーも少なからず存在する。倒れないにしても自ら進んで醜男を治療したいという変わり者は居ない。
そう、私以外は。
(どこなの!? その雄々しすぎる患者は!)
目を輝かせて醜男……ううん、素敵筋肉を探す、そんな変わり者こそ私「ローズ」である。第二王子の婚約者であっても、元々平民であるために姓は無い。
「ローズちゃん、こっち! また骨折してしまってね」
受付近くでベンチに座る傷だらけの男。上半身は裸で、近くには治癒院の受付作業をしているはずの女の子が伸びて倒れていた。
「気にしないでください。少し触れますね」
(きゃーッ! この分厚い胸板、堪らないわ!)
そんな心の声を隠しながら、手早く回復魔法をかけて治す。その素敵な胸に手を当てて、変態じみた事を考えつつ……強化魔法を掛け、怪我をし難いように仕上げ作業。
――それが私の趣味。私は筋肉質な男性が大好きな筋肉フェチなのだ。ヒーラー仲間には醜男フェチなんて揶揄われるけど、私にとってはヒョロっとした魔術師よりもガチムチ騎士の方が断然イケメンなの!
瀕死で運び込まれてきた魔術師の治療は人に任せて、私はその雄々し過ぎる患者の元へと走った。
魔法は使用するのに莫大なエネルギーを使用する。その為高位の魔術師程、細身で小柄になるというこの世界では……大柄で逞しい程魔法が使えない=不出来=格好悪い、という構図が出来上がっていた。戦場で魔法を使わず、もしくは自己強化魔法のみ使用して戦う兵士や騎士といった人間はいわゆる醜男として扱われていたのである。この世界はヒョロッとした魔法使い至上主義なのだ。
その為、そんな逞しい人間が怪我をしてこの古い寄宿舎のような建物――治癒院に運び込まれると、あまりの醜さに倒れてしまうヒーラーも少なからず存在する。倒れないにしても自ら進んで醜男を治療したいという変わり者は居ない。
そう、私以外は。
(どこなの!? その雄々しすぎる患者は!)
目を輝かせて醜男……ううん、素敵筋肉を探す、そんな変わり者こそ私「ローズ」である。第二王子の婚約者であっても、元々平民であるために姓は無い。
「ローズちゃん、こっち! また骨折してしまってね」
受付近くでベンチに座る傷だらけの男。上半身は裸で、近くには治癒院の受付作業をしているはずの女の子が伸びて倒れていた。
「気にしないでください。少し触れますね」
(きゃーッ! この分厚い胸板、堪らないわ!)
そんな心の声を隠しながら、手早く回復魔法をかけて治す。その素敵な胸に手を当てて、変態じみた事を考えつつ……強化魔法を掛け、怪我をし難いように仕上げ作業。
――それが私の趣味。私は筋肉質な男性が大好きな筋肉フェチなのだ。ヒーラー仲間には醜男フェチなんて揶揄われるけど、私にとってはヒョロっとした魔術師よりもガチムチ騎士の方が断然イケメンなの!