筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
「では、私から治療を受けた事は無いのですか?」
「実は幻影魔法でローズの姿を見せられ深い傷を負った時、それを手当してくれたのが偶然にもローズだった。俺はそこで『好きな人の幻影を見せられ油断した』と漏らしてしまって……ローズは何と返事したと思う?」
そう言われると、身に覚えがあった。あれはまだ筋肉フェチに目覚めていなかった頃で、初めて幻影魔法について耳にした日だ。
「『じゃあ次は本当にその人を抱きしめに行ってあげてくださいね。どうかその日まで怪我なく過ごせますように』……と、誰かに祈った事があります」
「なんだ、覚えているのか。……ローズはそう言ってこの醜男に強化魔法までかけてくれたんだ。効果は抜群で、それからは殆ど怪我して無い。逆にローズに会いに行けなくなって苦しんだ日もあったが――おかげで今こうやってローズを抱きしめる事ができる」
そうやってブレイズ様がまるで宝物を包むかのように私を後ろから捉えるのが……嬉しくて、少し恥ずかしい。
「でも強化魔法の効果はとっくの昔に切れて……」
「いいや? ずっと俺の心に掛かり続けているから現在進行形だな」
「実は幻影魔法でローズの姿を見せられ深い傷を負った時、それを手当してくれたのが偶然にもローズだった。俺はそこで『好きな人の幻影を見せられ油断した』と漏らしてしまって……ローズは何と返事したと思う?」
そう言われると、身に覚えがあった。あれはまだ筋肉フェチに目覚めていなかった頃で、初めて幻影魔法について耳にした日だ。
「『じゃあ次は本当にその人を抱きしめに行ってあげてくださいね。どうかその日まで怪我なく過ごせますように』……と、誰かに祈った事があります」
「なんだ、覚えているのか。……ローズはそう言ってこの醜男に強化魔法までかけてくれたんだ。効果は抜群で、それからは殆ど怪我して無い。逆にローズに会いに行けなくなって苦しんだ日もあったが――おかげで今こうやってローズを抱きしめる事ができる」
そうやってブレイズ様がまるで宝物を包むかのように私を後ろから捉えるのが……嬉しくて、少し恥ずかしい。
「でも強化魔法の効果はとっくの昔に切れて……」
「いいや? ずっと俺の心に掛かり続けているから現在進行形だな」