筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
 話の流れからすると、ブレイズ様は一緒に行ってくれるようだ。

「じゃあ参加者として申し込みしますね!」
「しなくていい! 嫌な予感がするから一緒に行くだけだ」
「でも」
「結婚式直前なのに、こっ酷く抱かれて腰抜けになりたいのなら、申し込みすればいい」
「う……」

 私達の結婚式まであとを1ヶ月を切っていた。出来るだけ綺麗な姿で挙式に臨みたいので、最近は肌の手入れに筋トレにと精を出してきた私。ブレイズ様は勿論それを理解しており、なんなら最近は私のトレーナーとして筋トレ指導までしてくれている。
 なのにわざわざそのような言い方をするなんて!

 (それにブレイズ様は、結婚するまでは絶対に抱かないと明言しているのよね)

 今まで律儀に毎晩それを守ってくれたのに、今更それを反故にするとは考え難い。ならば先程の発言の真の目的は、私を怯ませ参加者として申し込みさせない為だろう。
< 37 / 53 >

この作品をシェア

pagetop