筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
「――どうし……んっ!」
性急に貪るように唇を合わせられ、両手は壁に縫い止められる。
「……俺以外を見るな」
ブレイズ様は口付けの合間にそう一言だけ吐き捨てるように言った。苦しさと恥ずかしさで滲む涙越しに見えた彼の表情は、強烈な色香を放っているように見えて、一層羞恥心が増してしまう。
足腰から力が抜けて、このまま何も考えずに身を任せてしまいたいような感覚に襲われたが、その瞬間表通りから一際大きな歓声が聞こえてきて我に帰る。
(だ、だめよ。ここ街中だから……!)
少し身を捩るようにすると唇が離れたので、終わりにしてくれたのかと思ったが。
「――ひゃッ!?」
首筋に顔を埋められて、そこを舐め上げられる。私はそのゾクっとした感覚に耐えかねて……自らに強化魔法をかけた。
「ご……ごめんなさい――っ」
「ローズ!?」
持てる限り最大限の力で強化魔法を掛け、拘束を振り切り路地の奥へと向かって駆け出す。今思えば人の多い表通りの方へ逃げた方が良かった気がするが、この緩み切ってだらしの無い顔で表に出る勇気はない。
(どうしよう……走力も強化してあるけど、ゴリラで追いかけられたら絶対に追いつかれる!)
性急に貪るように唇を合わせられ、両手は壁に縫い止められる。
「……俺以外を見るな」
ブレイズ様は口付けの合間にそう一言だけ吐き捨てるように言った。苦しさと恥ずかしさで滲む涙越しに見えた彼の表情は、強烈な色香を放っているように見えて、一層羞恥心が増してしまう。
足腰から力が抜けて、このまま何も考えずに身を任せてしまいたいような感覚に襲われたが、その瞬間表通りから一際大きな歓声が聞こえてきて我に帰る。
(だ、だめよ。ここ街中だから……!)
少し身を捩るようにすると唇が離れたので、終わりにしてくれたのかと思ったが。
「――ひゃッ!?」
首筋に顔を埋められて、そこを舐め上げられる。私はそのゾクっとした感覚に耐えかねて……自らに強化魔法をかけた。
「ご……ごめんなさい――っ」
「ローズ!?」
持てる限り最大限の力で強化魔法を掛け、拘束を振り切り路地の奥へと向かって駆け出す。今思えば人の多い表通りの方へ逃げた方が良かった気がするが、この緩み切ってだらしの無い顔で表に出る勇気はない。
(どうしよう……走力も強化してあるけど、ゴリラで追いかけられたら絶対に追いつかれる!)