筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
服従魔法
「――ズ、……ローズ!」
名前を呼ばれて目が覚める。ここはウィルドハート辺境伯領にある……ブレイズ様の部屋。ベッドの上。
いつも通りの風景に、何故か違和感を覚えた。体を起こして、隣で座り私に声をかけていたブレイズ様に話しかける。
「……何故私はここにいるのかしら?」
「何故って。俺と結婚したからに決まっているだろう。それより、うなされていたようだが大丈夫か?」
そっか。私、ブレイズ様と結婚したんだ。何故か他人事のように考えて自分の左手を見ると、確かに金の指輪が輝いていた。
(なんだかブレイズ様らしくない指輪ね)
どうしてそう思ったのかは分からない。
「もしや昨晩無理させすぎて怒っているのか?」
「いいえ……決してそんな事は」
どうしよう、何も覚えていない。そのような展開があったのなら、絶対に素敵な筋肉を凝視しているはずなのに!
困って視線を逸らす私に対し、ブレイズ様は優しく話し掛ける。
「無理しなくていい。その代わりずっと永遠に俺の元にいると約束して欲しいのだ。この願い、叶えてくれるな?」
「はい……」
私の返事に満足したブレイズ様は腕を広げて「おいで」とその胸の中に迎え入れられるので、ポスッと顔を大胸筋に埋めたのだが。
――違う。これはブレイズ様の香りじゃない。
雄々しい香りでも、石鹸の香りでもない。しかも微妙に筋肉の感触が違う。ブレイズ様の筋肉は普段はもっと柔らかくて、力を入れるとムキっと硬くなるのよ。だからこれは、絶対にブレイズ様ではない!
名前を呼ばれて目が覚める。ここはウィルドハート辺境伯領にある……ブレイズ様の部屋。ベッドの上。
いつも通りの風景に、何故か違和感を覚えた。体を起こして、隣で座り私に声をかけていたブレイズ様に話しかける。
「……何故私はここにいるのかしら?」
「何故って。俺と結婚したからに決まっているだろう。それより、うなされていたようだが大丈夫か?」
そっか。私、ブレイズ様と結婚したんだ。何故か他人事のように考えて自分の左手を見ると、確かに金の指輪が輝いていた。
(なんだかブレイズ様らしくない指輪ね)
どうしてそう思ったのかは分からない。
「もしや昨晩無理させすぎて怒っているのか?」
「いいえ……決してそんな事は」
どうしよう、何も覚えていない。そのような展開があったのなら、絶対に素敵な筋肉を凝視しているはずなのに!
困って視線を逸らす私に対し、ブレイズ様は優しく話し掛ける。
「無理しなくていい。その代わりずっと永遠に俺の元にいると約束して欲しいのだ。この願い、叶えてくれるな?」
「はい……」
私の返事に満足したブレイズ様は腕を広げて「おいで」とその胸の中に迎え入れられるので、ポスッと顔を大胸筋に埋めたのだが。
――違う。これはブレイズ様の香りじゃない。
雄々しい香りでも、石鹸の香りでもない。しかも微妙に筋肉の感触が違う。ブレイズ様の筋肉は普段はもっと柔らかくて、力を入れるとムキっと硬くなるのよ。だからこれは、絶対にブレイズ様ではない!