筋肉フェチ聖女はゴリラ辺境伯と幸せを掴む
ずっとこの日を待っていた
私はベッドに寝転がり、自分の左手を照明にかざした。そこにはシルバーにブラックダイヤモンドで装飾された指輪……本日執り行われた結婚式でブレイズ様からいただいた、結婚指輪が輝いていた。
婚約から三ヶ月。私は正真正銘ブレイズ様の妻となった。
「うん。やっぱりブレイズ様らしい指輪」
レオン様に見せられた幻影の中の金を基調とした指輪には違和感があったが、こちらはしっくりくる。ブレイズ様の髪と瞳の色を思わせる黒色のダイヤの石言葉は「不滅の愛・永遠の強さ」。本当にピッタリだ。
「気に入ってもらえたのなら幸いだ。俺は装飾の類は全く分からないから……少しばかり苦労した」
ブレイズ様がそう言いながら部屋の明かりを消すので、指輪の輝きは息を潜める。僅かに差し込む月明かりと気配で、ブレイズ様がこちらに歩いてきているのが確認できた。
「ふふっ、やっと『抱いてください』とお願いしたのが叶うのですね?」
初対面の時。あまりに理想の筋肉が目の前に現れた衝撃から混乱し、そう叫んでしまったのを思い出して笑ってしまった。
「……今だから言うが。胸糞悪い幻影を見せられた時に『どうしてあの時に抱いておかなかったのか』と、かなり後悔した」
ギシッとベッドのスプリングが沈む音がして、私に覆い被さるブレイズ様は苦笑いだった。
「幻影だったのですから良かったじゃないですか」
「幻影でも嫌に決まっているだろう。一目惚れした手の届くはずの無い高嶺の花が自分の手の中に落ちてきて。大事に愛ていたはずなのに、いきなり取り上げられて元の鞘に収まるなんて、悪夢でしかない」
婚約から三ヶ月。私は正真正銘ブレイズ様の妻となった。
「うん。やっぱりブレイズ様らしい指輪」
レオン様に見せられた幻影の中の金を基調とした指輪には違和感があったが、こちらはしっくりくる。ブレイズ様の髪と瞳の色を思わせる黒色のダイヤの石言葉は「不滅の愛・永遠の強さ」。本当にピッタリだ。
「気に入ってもらえたのなら幸いだ。俺は装飾の類は全く分からないから……少しばかり苦労した」
ブレイズ様がそう言いながら部屋の明かりを消すので、指輪の輝きは息を潜める。僅かに差し込む月明かりと気配で、ブレイズ様がこちらに歩いてきているのが確認できた。
「ふふっ、やっと『抱いてください』とお願いしたのが叶うのですね?」
初対面の時。あまりに理想の筋肉が目の前に現れた衝撃から混乱し、そう叫んでしまったのを思い出して笑ってしまった。
「……今だから言うが。胸糞悪い幻影を見せられた時に『どうしてあの時に抱いておかなかったのか』と、かなり後悔した」
ギシッとベッドのスプリングが沈む音がして、私に覆い被さるブレイズ様は苦笑いだった。
「幻影だったのですから良かったじゃないですか」
「幻影でも嫌に決まっているだろう。一目惚れした手の届くはずの無い高嶺の花が自分の手の中に落ちてきて。大事に愛ていたはずなのに、いきなり取り上げられて元の鞘に収まるなんて、悪夢でしかない」