となりの初恋
ただでさえ嫌われているのにもっと嫌われて、私の学校生活はおしまいだ。


「もうからかわないで。大体、なんで私なの?もっと可愛い子いっぱいいるじゃん」

「高橋さんのこと、気になったから。それだけ」


そんな軽い思いで私を遊びの道具にしないで欲しい。
言い返せなそうな陰キャなら良いとでも思っているのか。


どっちみちもうどうでもいい。


「この席も違う子に譲るから。よく見えないとか言えば許してくれるでしょ」

「なんでよ。別に良いじゃん隣で」

「自分勝手すぎ。私は嫌なの」


立ち上がって教室を出て行こうとしたら腕を掴まれた。
振りほどこうとしても男の人の力は強くて、私はその場から動けない。


「ねぇ、離して」

「嫌」


嫌なのはこっちだ。
何がしたいのかつくづく分からない。


「……ごめん、俺高橋さんの気持ち何も考えてなかった。急にあんなこと言われて、嫌だったよな」


あんなに威勢が良かったのに、急にしょんぼりとする。
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