となりの初恋
持ち合わせたその顔面と巧みな会話スキルとで何人もの女子を落とし、複数の女子と関係を持つ。


鬱陶しいと感じたら関係を切り、また別の本命を作る。
他の男子からはクズだと言われまくって嫌われているけど、俺は透と一緒にいる。


まぁ、俺も透のことはクズだと思うけど。


「おいクズ男、対処法を教えてくれ」

「Siriみたいに言うなよ」


透は座っていた俺の隣に腰を下ろし、缶を地面に置いた。
地面とぶつかって高い音が響く。


「んー、どうも出来ないんじゃないの?その子を落とすしか」

「俺はお前とは違うんだよ、そんな簡単に人のこと落とせないっての」

「誰だって出来るよ、まずその子の好みを探る。で、その子の好きなものを話題にして話しかける。そうやってしてればいけるよ」

「俺は出来ねぇって言ってんの」


ストローを口にくわえた。
もう紙パックの中身はなくて、どれだけ吸っても甘酸っぱい空気しか出てこない。
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