となりの初恋
「本気だよ。俺は」


高橋さんは何も言わないまま、ただ鞄に荷物を詰めている。


「本気って、何言ってんの?陰キャだから何でも言って良いってわけじゃないんだよ」

「だから、本当に」

「もういい。私帰るから」

「高橋さん」


リュックを背負い、高橋さんは教室を出て行ってしまった。
俺はため息をついて、へなへなと床に座り込む。


「……どうも上手くいかねぇ」


こんな時に、不味いバナナオレの味を思い出した。



< 27 / 82 >

この作品をシェア

pagetop