となりの初恋






「沙耶ちゃーん」


火曜日の放課後は、図書室に向かう。
図書委員会の仕事がある沙耶ちゃんと話すため。


あの日のあとわたし達は仲良くなって、お互いを名前で呼び合うようになった。


ずっと石川さん、って呼ばれていたから、なんだかむず痒いけど。


「花菜ちゃん、ちょっと待ってもらえる。やることあって」

「いいよ-。あ、うちも手伝おうか?」

「出来たらお願いしたい、いいかな?」

「もっちろん!」


今日は本が全部あるかの確認をするらしい。
流石に一日で全部を確認するのは大変だから、曜日ごとにここからここまでって決められているみたい。


その決められた分をさらに二人で分担して、リストを見ながら確認していく。


ない本があればチェックをつけて、場所が違ければ元に戻す。
こういった作業はどちらかと言えば好きだから、分担した量は難なく終わった。


「沙耶ちゃん、こっち終わったよ。そっちは?」
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