となりの初恋
昼休みは屋上で過ごして、一緒にジュースを飲む。
俺はブラックコーヒーで、海斗はイチゴミルク。


バナナオレは嫌いだと言っていた。
だから喧嘩をしたり、むかついた時はバナナオレを買って海斗に渡す。


たまに、本当たまにだけど海斗が奢ってくれる日もある。
俺の家はそれなりに裕福だし、一日一本のイチゴミルクやバナナオレで貧乏になんかならないよ、と言っても海斗は聞かない。


奢られることに引け目を感じるらしい。
俺とは正反対。


俺だったら使えるものは使っとけと思う。
親切で奢ってくれているんだったら、また奢ってもらえるように媚びる。
逆にそういう気がない奴は一緒にいたいと思えない。


だって俺にとっての得なんてない人と、一緒にいたって仕方がない。


こんな曲がりに曲がった考えを持っているからか、恋愛も向かなかった。
好きだと思える人に出会えなかった。


俺を好きだと言ってくれている子もそうだ。
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