となりの初恋
花菜ちゃんは驚いたように動きを止め、しばらくしてから感動したように口元を手で覆った。


「沙耶ちゃん、本当?」

「本当だよ、じゃなきゃこんなにならないって」


花菜ちゃんは私の手を取ると強く握った。
そしてそれをぶんぶんと縦に振る。


「沙耶ちゃん、いけ!告白しよう!」

「無理に決まってるじゃん、だって櫻井くんだよ?あの、人気者の櫻井くんだよ?」


花菜ちゃんはため息をつきながら、首を横に振る。


「あのねぇ、何度も言ってるでしょ?海斗くんは、沙耶ちゃんのことが好きだって」

「だからそんなことないって」

「もー、うじうじしない!あなたたち両想いなの!」

「そう言われたって、信じれないものは信じれないし……」


また机に突っ伏す。
勢いがつきすぎてぶつけた頬が痛む。


「ここは手助けしてあげたいけどさぁ……せっかくなら自分で頑張って欲しいよ」

「花菜ちゃん、手助けしてよ……」
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