となりの初恋
となりの好きな人
週が開けて、祝日だった月曜日を挟んで、火曜日の朝。
うー、なんだかむず痒い。
いつもは長かった前髪がないからか、少しすーすーするような気がする。
「沙耶ちゃ〜ん!!」
毎日同じように、鞄を盛大に揺らしながら花菜ちゃんが走ってくる。
私も大きく手を振ってそれに応える。
「え、超可愛い!!髪!!」
「ありがとう……変じゃない?」
「いやもう全然!大丈夫、自信持って!」
花菜ちゃんにそう言われると、どこからともなく自信が沸きあがるような気がする。
今日も花菜ちゃんは可愛い。
でもなんか、どことなく落ち着いていないような、そわそわしているような気がする。
「……花菜ちゃん、なんかいいことあった?」
「……やっぱ分かっちゃう?」
ほっぺたに両手を当てて、顔を紅潮させながら花菜ちゃんは言った。
「付き合えたの。透くんと」
付き合えた……透くんと……