となりの初恋
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一人でいる図書室は大好きだった。
どれだけ独り言を言っても怒られなくて、好きにして良くて。
その時間のために図書委員になったと言っても過言ではなかった。
なのに、今はその時間が嫌でしょうがない。
早く来ないかな、櫻井くん。
ドアが開く音がして、そっちに顔を向けたら、いつも笑顔で入ってくるの。
それを見て私も笑顔になる。
櫻井くんが借りていた本を返して、おすすめの本を教えて。
櫻井くんが本を借り終えた後は、二人で他愛のない会話をする。
今日のあの授業が面白かったとか、あそこが分からなかったとか。
たまに勉強会が開催されるときもある。
そんな時間が大好きだった。
今日で、その時間は終わりになってしまうのだろうか。
私が思いを告げたら、櫻井くんはもうここに来なくなるのかな。
だったら、一人で待っているこの時間も、もう少しだけ伸びて欲しいと思ってしまう。