となりの初恋
想いが溢れて、どうしようもなくなって、涙がこぼれてしまいそうになるのは、分かる。
なのに、どうして私が?
何が私を悲しくさせた?
隙間から見えた優しげな表情?
断るなんて考えはなさそうな、温かい声色?
いや、きっと違う。
誰かに櫻井くんがとられるかもしれないという、不安。
きっとそれが、私を悲しくさせた。
本棚に背中を預けるようにしながら、潤んだ瞳を擦った。
誰かが来る気配は全くない。
誰でも良いから来て、慰めてくれたら良いと思うのに。
「……もう、分かんないよ」
そう呟いたところで、誰からも何も帰ってこない。
図書室のこういう所が大好きだったのに、今はやけに寂しい。
そろそろカウンターに戻ろうと、立ち上がった瞬間、ドアが開く音がした。
「ごめん高橋さん、遅くなった。ちょっと先生に呼び出されちゃって」
……隠す、んだ。
他の子に告白されたって、私には教えてくれないんだ。
なのに、どうして私が?
何が私を悲しくさせた?
隙間から見えた優しげな表情?
断るなんて考えはなさそうな、温かい声色?
いや、きっと違う。
誰かに櫻井くんがとられるかもしれないという、不安。
きっとそれが、私を悲しくさせた。
本棚に背中を預けるようにしながら、潤んだ瞳を擦った。
誰かが来る気配は全くない。
誰でも良いから来て、慰めてくれたら良いと思うのに。
「……もう、分かんないよ」
そう呟いたところで、誰からも何も帰ってこない。
図書室のこういう所が大好きだったのに、今はやけに寂しい。
そろそろカウンターに戻ろうと、立ち上がった瞬間、ドアが開く音がした。
「ごめん高橋さん、遅くなった。ちょっと先生に呼び出されちゃって」
……隠す、んだ。
他の子に告白されたって、私には教えてくれないんだ。