ハニー＆クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている
二人の過去
　明るくてかわカッコ良くなった翠くんと、クールで素っ気なくなった蒼くん。

　昔の二人を知っている同級生は戸惑っていたけれど、知らなかった子たちは普通に受け入れているから徐々にクラスにも馴染んできた。

　蒼くんは私以外にはまだ素っ気ないけれど、目立つルックスもあってそれほど嫌厭(けんえん)されることはなかったし。
　二週間もすれば、二人がいる状態に私もみんなも慣れてきていた。



　それは家でも同じで……。


「奈緒ちゃん。次はなにすれば良い？」

「あ、じゃあこのレタス一口大にちぎっておいてくれる？」


　今は翠くんと一緒に私の家のキッチンで夕飯をつくっているところだ。

　蒼くんは夕飯を作るのに足りなかった材料の買い出しに行ってもらってる。

　今日は私の両親も二人の両親も遅くなるからってことで、夕飯を一緒に作って食べることになったんだ。

　昔も同じ年の子どもがいるからってことで交流が多かったけれど、辻本家族が戻って来てから徐々にまた昔みたいに家族ぐるみの付き合いになってきた。

　雰囲気の変わった翠くんと蒼くんには私の両親も驚いていたけれど、それほど気にもせず受け入れてるみたいだったし。

　そういうわけで、私たちも昔みたいに三人で過ごすことが増えてきたんだよね。


「あとはこのまま煮込めばいいかな」


　沸騰した鍋の火を弱めて蓋をし、私と翠くんは並んでたまった洗い物を片づけ始めた。


「……それにしても蒼くん遅いね？」

「ああ、どっか寄り道してるのかな？」


　私が洗ったものを拭きながら翠くんが答える。

　そのままなんとなく沈黙が降りて、私は話題の一つとして気になっていたことを聞いてみることにした。
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