ハニー&クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている
「ってことは……奈緒か?」


 冷たくも見える蒼くんの鋭い目が私に向けられて緊張する。

 優しくて頼りになる蒼くんは、私の初恋の人でもあったから……。

 でも、今私を見つめる黒い目はなんだかちょっと怖い。

 昔と違う印象の目に、返事が出来ない。

 そんな蒼くんとは対照的に、翠くんがパッと明るい笑顔を私に向けてくれる。


「え!? 奈緒ちゃん!? わー! すっごくかわいくなってる!」


 抱きつく勢いでグッと距離を縮められて、これはこれで戸惑った。

 泣き虫だった翠くんは控えめな性格だったから、こんな風にいきなり近づいてくることはなかったし。


「う、うん。ありがとう。二人も背が伸びて、男の子らしくなったね?」


 戸惑うけれど、大好きだった幼馴染みには変わりない。

 驚きを抑え込んで笑顔で答えた。


「男の子らしくなった? 嬉しいなー。でも、それだけ? もっとカッコ良くなったとかない?」

「え?」


 ニコニコと明るい笑顔で、でも少しだけ声を低くして聞かれる。

 細められた薄茶の目が何かを探ってるようにも見えた。

 何なんだろうって不思議に思うけれど、私は正直に答える。
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