ハニー&クールな双子は再会した幼馴染みを愛しすぎている
「うん、カッコ良くなったよね? でも、二人とも昔からカッコ良かったしかわいかったよ?」


 思ったことをそのまま言ったら、翠くんはキョトンとした顔になる。

 その表情はまんま昔の翠くんで、なんだか懐かしく感じた。


「ぷっ! ははっ! 奈緒ちゃんは変わってないなぁ。なあ蒼、奈緒ちゃんは大丈夫だろ?」

「……どうだかな」


 なんだか嬉しそうに翠くんが蒼くんを見上げる。

 でも蒼くんは冷めた目で素っ気なく言うと、アスナを優しく下ろして家の中に入って行ってしまった。

 ……なんだか冷たい。

 五年も経てば多少は性格も変わるのかもしれない。

 けれど、本当にあの優しくて頼りになる蒼くんと同一人物なのかな? って疑問に思ってしまう。


『元気出せ、また絶対会えるんだから』


 五年前、泣いている私と翠くんの頭をポンポンして慰めてくれていたのは、蒼くんだったのに……。

 なんだか寂しくて蒼くんが消えていったドアを見つめていると「奈緒ちゃん」と明るい声が掛けられる。


「大丈夫、蒼もすぐにわかるって」


 なにがわかるのか、なにが大丈夫なのかもよくわからないけれど、その疑問を言葉にする前に翠くんの白い頬がぷくっと膨らんだ。
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